大苦戦! ジャコバトルin明石
2001年9月8日

前回のサバ爆釣に気を良くしたさくらさんの挑戦状を受け、再び明石へジギングに出かける事になる。 明石は自宅から30分の近場なので気楽にでかける私に対し、南大阪から2時間かけてやってくるさくらさんの気合は凄まじく、誰よりも早く港に現れて準備にいそしんでいたらしい・・・  ある意味この時点でこの日の決着は付いていたのかも知れない・・・。

「ジャコフック」なる禁じ手寸前のアシストフックを装備したジグ=「ジャコジグ」と珍妙な「止め技」でサバを爆釣した彼女。 ジギング歴は浅いながらあなどれない存在である事は間違いない。 ジグ歴10年の私が負けることは許されないのだ。 すでに男女の差を越えて激しく火花を飛ばし、舌戦の激しさたるや耳を覆わんばかり・・・。 「ふふふ、今に見てろよ、今日は負けないからな・・・」 
薄暮の明石沖に熱戦の火蓋が開かれ、住吉丸は豪快に出港するのであった。

これがジャコジグです。 すでに伝説か? 浅場の根周りを速いテンポで流す住吉丸。 潮は効いていて悪くない感じだが反応は無い。 今の時期ならば一投目から爆釣モードになることも多いだけに、ちょっとがっかり・・・。 
船長:「昨日良かった鯛ポイントに行きましょう」
「え?鯛だって♪」 すっかり欲ボケした二人は妙にニヤつきながら「鯛仕様」のジグにチェンジする。
すでにお馴染みの「さくらジャコジグ」に対し、ピンクのタコベイトが妙に恥ずかしい私のジグ・・・「ぷっ!」 さくらが笑う。 「や、やかましい!!」 

舌戦の激しさは収まることを知らない・・・(爆)
ハレンチピンクのタコベイト。 松山ではポピュラーです。
船尾より明石海峡大橋を望む。  期待の鯛ポイントも不発に終わり、ポイント移動が激しくなる。 昨夜までの豪雨で所々に水潮が入り、ベイトの反応も薄い。 周りの船も状況は変わらないようで激しく移動を繰り返す。 「今日は厳しくなるぞ・・・」

あまりの反応の無さにさくらさんもすっかり元気が無くなった。 「な〜に、魚が居れば釣れるもんだよ!」 まるで自分に言い聞かせるよう話す私。 気持ちが負けたら魚は答えてくれない。 ジギングとはそう言うもの、休んだら負けだ・・・。

「よっしゃ〜!」 私にヒット! しかし、あろうことか超外道のエソ・・・(爆)   「くそ!恥ずかしい・・・」と思ったらさくらさんは本気で悔しがっている。  「エソに負けるのだけはイヤだ〜」 おいおい、エソで嘆くなよな・・・。 負けん気の強さも相当なモノだ。

潮が変わり、船は沖の瀬周りを流す。 海はやや活性化してボイルも見え出した。 船上はキャスティングで攻める者が大半だ。
変化する状況にもめげず、黙々とジグをしゃくるさくらさん。 「ヒット!」 やっと本日初ヒット!前回よりややサイズアップしたツバスである。
「イエ〜イ!ヤッター!ツバスだぞぉ!エソじゃないもん!ハハハハハ〜!!!」
「やっぱりジャコジグよん♪」 爆釣モードのさくらさん。

「お、おめでとう・・・良かったね・・・」 ブチブチと切れかけた「何か」を必死で押さえつつ、笑顔で答える「先輩」の私・・・(爆)   ツバス先行ゲットに気を良くした彼女は先ほどヒットしたジグを早々に「さくらジャコジグ」にチェンジ。 今あれを使われたらマジでヤバイ 「そのルアーチェンジは正しいとは言えないな、せっかくのヒットルアーなのに・・・」 釣れない先輩のアドバイスなど耳に入る訳が無い。 「フフ!次はジャコジグよ〜ん♪」 意気揚揚とジグをしゃくるさくらにまたまたヒット! 「きゃ〜! やっぱジャコジグよね〜♪ あれあれ、ふじはしさん確かルアー替えたら釣れないって言わなかったかな〜? あれあれ〜?」 すでに返す言葉も無い「先輩」の私・・・。 

すっかり上機嫌のさくら。 もう誰も止められない・・・ 恐ろしい事に流す度に彼女のヒットは続き、船長も彼女の動きを見て操船するようになる。 こうなっては誰も彼女を止められない。 「ジャコジャコダンス♪ジャコダンス♪」奇妙に腰を振って踊るさくら・・・「お、踊るなっちゅうに!」 ガラスの心すでにズタズタの私に「ジャコダンス」は強烈過ぎたのであった・・・(爆)

ナブラ狙いのキャスティングでポツポツ釣れる程度の船中で彼女の釣果は目を見張るものがある。 対する私はアタリすら全く無い状態。 ここで私は釣り人としての誇りを捨て、すべてを彼女から盗む事にした。 ピンクのヒラジグラにジャコフック、そしてソフトテイル。 潮に任せてジグを流し、妙にぎこちない彼女のロッド操作を完璧にコピーする。 「あれ?なんか釣れてる・・・」 なんと気が付いたらツバスが釣れちゃいました! 「あらら、釣れるじゃんコレ! キャハハハハ〜!」 大爆笑の二人。 「ほらね、ジャコジグ釣れるでしょ!」 さらに勝ち誇る彼女。 「はいはい、ありがとうございます♪」 ここでは素直になった方が得である・・・(笑)

舞台は私とさくらさんとの「ジャコジグバトル」になった。 相変わらず調子よくヒットを続けるさくらさんに必死で食い下がる私。 しかし最初に大きく水を空けられたポイント差を埋める事が出来ないまま潮が止まり、反応が無くなった。 結果はさくら9匹:ふじはし4匹。 サイズも数もまったく及ばず、まさに「完敗」である。  激タフな状況下で堂々竿頭のさくらさん。
こ、コレだけは撮りたくなかった・・・勝ちほこるさくらさん。 帰港後の撤収作業でも上機嫌のさくらさん。 釣果の少ない私を気遣ってツバスを分けてくれる。 
「遊んでくれたからデカイのもあげるね。 良かったジャン、お土産が確保できて!」 ったく最後まで調子の良い彼女だが、おかげで船上は賑やかで爆笑の一日を楽しめた。 ま、これも悪くないか・・・(^^ゞ

キャスティングでポツポツ釣れる程度の船中にあって、ジギング1本で圧倒的に竿頭のさくらさん。 これは絶対にビギナーズラックでは無く、彼女の技と集中力の勝利と言える。 ジャコジグの存在も大きいが今の彼女ならどんなジグでも確実に結果を出すに違いない。 そう思わせる「力」を彼女は持っている。 むむむ、恐るべしさくら・・・ 次は負けられないぞ!と思いつつ、ヘタに挑戦すると返り討ちに遭う恐れもある。 ココしばらくは素直に言う事を聞いた方が身の為かな・・・(爆)