涙の敦賀 「なぜ釣れぬアコウ!!」

2001年11月23日

青物絶好機の11月3連休。 さくらさんから敦賀でジギングのお誘いがあった。 当初、「敦賀は遠いな〜」と渋っていた私だったが、旧友のてんびん君からも「よう知らんけど敦賀行くねん」と聞き、気が付けば私も行く羽目になってしまったのである。 なんとてんびん君とは5年ぶりの釣行。 若狭湾に通いつめる彼の「技」も盗みたかったのでワクワクして眠れぬまま現地入りとなった。 
今回お世話になるのは伝平荘の八幡丸。 首謀者=もきちさんの呼びかけで12人のメンバーが未明の敦賀に怪しく集うのであった。
 
午前6時、未明の敦賀湾を八幡丸は出船する。 海況はベタなぎ、先週の若狭湾は大荒れで泣いただけにホッとする。 やがてポイントに着き最初のフォール、「あかん、ぜんぜん潮動いてない・・・」ベテランのてんびん君は素早く状況を察知。 そう、ここは日本海。時が経てば潮が走る瀬戸内と違い、潮の動きは日並で変わり、丸一日動かないことも珍しくないのだ。 てんびん&ぴすけの両名はミヨシでキャスト&横シャクリで広く探る戦法で攻めはじめる。
さて、明石では無敵のさくらさんは友人のポチさんに細かいアドバイスをしている。 どうやらポチさん今日がジギング初体験らしい。 こりゃ是非とも楽しんで帰ってもらいたいもんだ。 

潮が動かない状況に変化は無い。 「やばい感じ・・・」 そう思った途端、さくらさんがヒット! 「クソ!やられた!!」 彼女に先行されたら追いつけない! お、俺が負けるわけにはいかんのや〜!!(^^ゞ

快調に飛ばすさくらさん。 エソ釣っても上機嫌♪ やがてポツポツとハマチクラスが釣れる様にはなったが単発ヒットばかりで大きな群れに当たらない。 私にはアタリもない状況だが他のメンバーは既に数匹のハマチをゲットしていた。 「あれ?ふじはしさん、まだ釣れへんの?」 さくらさんが嬉しそうに聞く。 「なんや、まだかいな自分?」 てんびん君も遠慮などしない。 「や、やかましいわ!」 口から生まれた関西人は5分も黙ってないから大変だわ・・・(爆)

ネットで知り合った仲間が集っているので各自の戦法の違いが見えて面白い。 瀬戸内が主体の私は両軸タックルで細かくジャーク。 若狭湾で鍛えたてんびん&ぴすけの両名はスピニングタックルでスピードに乗ったジャークで攻める。 どうやら敦賀も若狭湾だけに高速ジャークが効果的なようだ。 いっこうに釣果の無い私にぴすけ君が一言 「ジグを止めない方がイイですよ!」 そう聞いてハンドルを巻くスピードを変えた途端にヒット! 「あっそう、そうやって釣るのね!」 判ってしまえばこっちのモノ。 この後からフォール毎にヒットが続き、やっと人並みな釣果に追い付く私でした。

ここで一発デカイのが欲しい状況だ。 私もスピニングタックルで横シャクリで攻める。 と、その時 「あ〜っ!」とてんびん君の声。 「さ、竿落とした・・・」 なんとこの日の為に用意した新品タックルを敦賀の海に「奉納」されたようだ。 なんと言う悲劇! しかし、彼はそんな事でへこたれない。 その直後、長年愛用したタックルでしっかりメジロ級を釣り上げて見せた。 さすがベテラン! でも、ちょっと高くないか?そのメジロ・・・バキッ☆\(ーー;) 高くついたメジロ。 でも流石ですね!

今回は勉強の意味もあってスピニングタックルでのキャスト&横シャクリに挑戦する私。 さすがにベテラン両氏のような美しいジャークはできないが自分なりのやり方で何匹か釣ることは出来た。 しかしこの方法は腕の疲労も半端では無い。 3回も連続でやるとヘロヘロになってしまう。 「てんびん君、あんたら一日中こんな釣りしてんの?」 聞いた私がアホでした。 「あたりまえやん! ジギングは修行やで!」 わたしゃまだまだ修行が足りません・・・(^^ゞ

さてさて、すでにハマチを釣り飽きたさくらさん。 見れば竿の動きが何やら怪しい・・・。 「アコウ、アコウ、鍋、鍋・・・」 彼女の背中から怪しい念がうかがえる。 「狙って釣れたら苦労しないよ・・・」 と思ったら彼女の竿にガツガツと反応が! 「ヒット〜♪」 え?うそ!エソでも釣ったんじゃない?と思ったがなんとも立派なアコウを釣り上げた。

さくらさんのファーストアコウは35cm。 立派です!  「きゃ〜!これがアコウちゃんね〜♪ やった〜♪♪」 さらに 「ほらほら、ふじはしさん!早く写真撮ってよ!!」 すでに命令である。 震える指でシャッターを押しながら耐え忍ぶ私。 「辛い、辛過ぎる・・・(涙)」  ジギングの「修行」にこんな試練があったとは思いもしませんでした。(爆)
さてさて、今回ジギング初挑戦のポチさんと弟のひろしさんは、もきちさんのアドバイスでしっかりハマチを釣り上げていた。 最初はぎこちなかったロッド操作もだんだんスムーズになり、とても初挑戦には見えない。 しかもひろしさんはアコウまで釣り、すでにお土産完全キープの体勢だ。 私と言えばハマチのアタリも遠のき、アコウなんか気配も感じない最悪の状態。 さらにぴすけ君もアコウをゲットするのを目撃し、精神的にヘロヘロな状態に陥ってきた。 「なんか釣れたよ〜♪」 ポチさんスズメダイ 「背掛け」 ヒット!
「ほうらアコウだぜい!」 なんと40cmもありました! 「あかん、このまま何も釣れなかったら一生の恥や・・・」 全神経をロッドに集中し、丁寧に底から探るが反応は無い。 すると 「ハ〜イ! ヒットよ〜♪」 またもさくらさんだ! 「う、嘘や! 嘘や言うてくれ〜!!」 私の叫びもむなしく、水中から巨大なアコウが浮かび上がる。 それも半端なデカさでは無い。 

「ハッハッハッ、もうアコウの事なら任せて頂戴!」 勝ち誇るさくら。 さらに 「ほらほら!早く写真撮って!!」 すでに下僕と化した私は目を潤ませながらシャッターを切る。
「さ、最悪や・・・ 」 そう、下僕は耐えるしかないのです・・・(爆)

悲劇はさらに続く。 ミヨシで頑張るぴすけ君が何やら掛けた。 水深が深く、なかなか上がってこない。 「た、タイや〜!」 船上に響く声。 丁寧にネットで取り込まれたのはなんとも美しいマダイ! 全長なんと55cm! 青い星が散りばめられた実に美しい魚体。 「いいなぁ〜、私もタイ釣りた〜い!」とさくらさん。 あんた、まだ釣るつもりなんか?・・・(爆) ぴすけ君タイげっと〜! 食べて一番おいしいサイズですね! 

まさに状況は最悪である。 メジロもアコウもタイも釣ってない私は他のメンバーからも絶好の標的だ。 「エソも釣らないうちは一人前とは言えないよな!」 「若狭湾でカワハギなんか引っ掛けるからダメなんじゃない!」 「やはり土下座してアコウ1匹分けてもらうしか無いですね!」 「愛」に満ちた優しさのかけらも無い言葉に追い詰められ、プレッシャーでボロボロになっていく自分が良く分かる。 ♪がんばれ〜負けるな〜力の限り〜♪ ・・・曲名は知らん・・・(爆)

や、やっと釣れました・・・(^^ゞ  顔引きつってますな。(爆) 残された時間はわずか。 あきらめた訳ではないが妙に冷静になって攻め続ける私。 キープボトム、丁寧なシャクリ、確実なダートアクション・・・底から5mまでに狙いを絞り、ちょい投げで着底ポイントをずらしながら刻む。。。 「ゴゴン!」 脳天まで響く生命感! 「よっしゃ〜!」 もう瞬間的にアコウと分かった。 「あ、エソでも釣れたん?」 あほたれ、アコウに決まってるじゃん!

ふぅ〜、やれやれ。 最後の最後になんとか高級魚:アコウが釣れました。 これも皆さんの「愛」に満ちた応援のお陰です。 この御恩は一生忘れません。 次にあなた方が苦悩の境地に陥ったときには私から最大級の「愛」をプレゼントしてあげましょう。 2度と立ち直れないぐらいなぐさめてあげますよ・・・(爆)