車に乗り込み、彼等の後を追う。辺は真っ暗でどこを走っているのか見当が付かな
い。山を下りている事だけは確かだ。

どやら、着いたようだ。何件かの家が並んでいる。道路に車を止め、案内された家に
入る。かなり立派な家だった。中に入るとまず目に付いたのは、洋画や家族の写真が
壁にかけられていた。経験からすると、知識、収入的にも高いはずだ。

そして、飼育部屋というか研究室に案内された。そうそう、紹介が遅れました。この
方は、林さんと言って会社の社長さんだ。名刺をいただいたのでわかったのだ。同行
していたのは娘さんと知り合いの女性だった。


ここが、研究室。スギリンは熱心に覗き込んでいるのは、ミワヒラタの入っているケ
ースである。ここには、テナガゴガネやシェンク、タイワンオオももちろんありま
す。その中でもシェンクの大きいのを出して見せてもらいました。幼虫も飼育してお
り餌は朽ち木を砕いて自作していると言っていた。

 
これが、迫力の83ミリオーバーのシェンクリングオオクワガタである!ノギスを
持参していたので直ぐ計ったのだ。ワイルドは、なんとも言えない風格を持ってい
た。ん〜、欲しい!

その他、初めて見るテナガコガネ!とても綺麗な虫であった。迫力もある!


これは、今年6/8に採集されたタイワンオオである。78ミリの特大固体である。
前胸肺板の形は、巷で言うクルビデンスタイプだ。内歯の感じも面白いでしょ?
データの付いていない飼育固体で検討してもしょうがないので、今回、多数の標本を
見ていろいろ聞きたい調べたいと思っていたのでこれは好都合だ。あとで、詳しく聞
いてみよう!ちなみに87、6、8とラベルに書いてあるが、87とは日本の平成み
たいな年号だ。

早速、リビングに通されお茶をいただく。このお茶のうまい事、うまい事!私は、3
回もお代わりした。そして、間に日本語の喋れる『リンゴちゃんとしよう。なぜな
ら、名前がリンゴと言う意味だからだ』を挟んで、討論である。まず、ノートに2つ
のタイプのタイワンオオの絵を書く。そして、漢字で地域変異?固体変異?
別種?と書く。最初はなかなかうまく伝わらなかったが、うまく通じたようだ。現在
この新竹県のポイント(北部です)での採集割り合いは3:1(G:C)であって、
この調査もしているので5年後にはなんとかなりそうだと言う事。機会があれば、文
章を入手して和訳してみたい。採集の場合は樹液採集する場合、1本の木での両タイ
プの混在は無し。ライトトラップには両タイプ飛んでくるそうだ(当たり前だど)。
最後に林さん考えでは、現時点で固体変異と言う事だった。私もそう思うが、こう言
った問題は軽はずみな発言は出来ないものであり、あるショップの発言で混乱した事
があったように慎重にしなければならない。ただ言える事は、北部、南部と言う分け
方は適当でない。林さんの調査を待つとしよう。タイワンオオの話はこれで終わりで
なく、もう一つ面白い話を聞いた。これは別の項で話そう。

熱い討論が終わり、記念撮影である。


写真撮影は、ホタル研究家である。すいません撮影してもらって。ちなみに最近、本
を出版したそうだ。なかなか、洒落たリビングでしょ。


おまけ、林さんの娘さんである。そっくり!ちなみに林さんは後ろで髪を束ねたりし
ていてtrfのサム似である。

それにしても、台湾の学校で教育を受けた人は素晴らしい!日本語か英語を選択する
ようだが、かなりのレベルで話せる。日本は、全然ダメなのにね。

実は帰りに、お土産をもらったりしちゃってとても嬉しかった。えっ?なにかって?
それは、手の長いやつです。はい。林さんどうもありがとう!

高速に乗り台北に向う。スギリンは疲れて眠っている。王さんも疲れが顔に出てい
る。ホテルに着いたのは、深夜1:30を過ぎていた。風呂に入り、標本を整理して
寝る。寝たのは3時過ぎだったろう。明日は、夜にチェンさんと採集だ。場所は、
ノコギリマルバネ&タイワンオオポイントかタカサゴノコギリポイントである。
どっちにしようかな?贅沢な悩みである。

こんな感じで、台湾の充実した採集第1日目は幕を閉じたのであった。